2020-05-19

営農型太陽光発電/ソーラーシェアリング とは

日経BPから転載


営農を続けている農地の上の空間を活用する太陽光発電を営農型と呼ぶ。


 農地の上に支柱を立てて、一般的な地上設置型よりも高い位置に、かつ、隙間を大きめに開けて太陽光パネルを設置する。パネルを高い位置に固定するのは、下の農地でトラクターなどの農機が走行したり人手による作業を阻害しないため。また、パネルの隙間を大きめに開けて固定するのは、隙間から太陽光が農作物に十分に当たるようにするためである。

 このようにして、営農と発電で太陽光を分け合うことから、ソーラーシェアリングと呼ぶこともある。

 元々、地目が農地である場所で、営農型太陽光を行う場合、制度上、農地のうち支柱を立てる場所のみ、農業以外の目的に使うために必要な「農地の一時転用」を届け出て、市町村の農業委員会に認可してもらうことが必要になる。支柱を立てる場所以外は農地のままなので、ほとんどの場所が農地のままの低い課税率で、太陽光発電事業を実現できる利点がある。

ただし、あくまで農作と収穫物の販売に適切に取り組んでいることが条件で、農家に営農以外の安定的な収入を加え、農家の経営体質を強くすることや、耕作放棄地をできるだけ少なくすることが制度の趣旨である。

 営農の事業計画に対する結果は、毎年、農業委員会に報告する。当初、一時転用の期間は3年で、その都度、更新するという仕組みになっていた。

農林水産省は2018年5月にこれを見直し、一定の条件を満たした場合、10年以内(最長10年)の一時転用が認められることにになった。

「10年以内への変更」が認められるのは、以下の3つケースとなる。(1)農業の担い手が所有している農地、または利用権などを設定している農地で、その担い手が下部農地で営農を行う場合。(2)農用地区域内を含め荒廃農地を活用する場合。(3)農用地区域以外の第2種農地、第3種農地を活用する場合――。

 これら3ケースのうち、いずれかを満たせば、一時転用許可の更新は最長で10年に1回で済む。更新にかかる作業が軽減し、事業リスクも低減する。


「低圧」でも全量売電を継続


2018年の見直しで、「10年」が認められた農業者である「担い手」とは、食料・農業・農村基本計画で掲げられた概念で、「効率的かつ安定的な農業経営」「農業経営基盤強化促進法による認定事業者」「同法による認定新規就農者」「将来法人化して認定農業者になることが見込まれる集落営農」の4タイプがある。

 つまり、農業経営・農作業の専門家が、自ら営んでいる農地を使ってパネル下で営農する場合、一時転用許可を10年に伸ばした(この場合、営農者が発電事業者でなくても構わない)。

 また、農地のなかでも、耕作放棄などによって荒廃していたり、市街地内や市街に近く、元々農地転用の可能な区分については、一時転用期間を10年に伸ばしてソーラーシェアリング事業を後押しし、太陽光発電の併営で営農を推進する。

 最長で10年間で、更新・延長を認めるかどうかは農業委員会の判断による。営農の実態を感じられない案件については、農業委員会が農地転用を認めないことがある。

 こうした営農の事業計画と結果に対する農業委員会の判断によって、農地転用の延長が認められなくなる恐れがあるという仕組みは、資金調達面の障壁となり、「10年更新」に変更した後も、経済産業省や農水省の思惑ほどには、事業化した案件数が増えてこない大きな理由の一つとなっている。

 経産省は、固定価格買取制度(FIT)の抜本見直しのなかで、出力10kW以上50kW未満の低圧事業用太陽光については、2020年度から「自家消費型の地域活用要件」を設定して、これに該当する案件に関してFITのよる余剰売電とした。これにより、FIT開始以来、件数の多かった低圧事業用太陽光に対する全量買取政策を打ち切った。

 ただ、この見直しでは、災害時の自立運転機能を持つことを条件に、10年間の一時転用が認められている営農型の低圧太陽光については、自家消費の要件を適用せず、従来通りFITによる全量買取の対象にするとした

 このため、今年度以降、低圧事業用太陽光を主体に案件を開発してきた事業者などが、荒廃農地や第2種・第3種農地を活用し、10年転用可能な営農型太陽光に乗り出す可能性もある

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